カスタマーハラスメント対応における指針について
1. はじめに:本指針策定の背景と目的
ジオリーブグループ株式会社(以下「当社」という。)は、ステークホルダーとの相互信頼を基盤とした健全な企業活動を追求しています。当社において、従業員の安全確保と心身の健康維持は経営上の最優先課題であり、持続的な企業価値向上のための不可欠な投資です。近年、顧客等からの過大な要求や不当な言動、いわゆるカスタマーハラスメントが深刻な社会問題となっています。これらは従業員の尊厳を傷つけるのみならず、組織の自律的な業務遂行を阻害し、強固なガバナンス体制を毀損する重大な経営リスクです。本指針は、当社が「ハラスメントを一切許容しない」という毅然とした姿勢を明確に示し、従業員がプロフェッショナルとしての誇りを持ち、安全な環境で職務に専念できるよう策定されました。取引先との対等かつ持続可能な信頼関係の構築こそが、当社が社会から信頼される企業であり続けるための戦略的要諦であると確信しています。
2. カスタマーハラスメントの定義と判断基準
カスタマーハラスメントに対する迅速かつ的確な組織対応を実現するためには、その定義を明確化し、現場での判断の迷いを排除することが戦略的基盤となります。判断基準の曖昧さは、報告の躊躇を招き、事態を悪化させる一因となるため、当社では以下の3つの要素を全て満たすものをカスタマーハラスメントと定義します。
- 顧客等による言動であること
- 業務の性質等に照らし、社会通念上許容される範囲を超えたものであること
- 従業員の就業環境が害されるものであること
定義範囲
当社の事業実態(訪問、メール、オンライン商談等)に基づき、「顧客等」および「職場等」を以下の通り定義します。
- 顧客等の範囲: 既存の取引先担当者に加え、取引先の関係者、商談中の相手方、潜在的な顧客(今後取引の可能性がある者)、問い合わせ者、および事業所等の近隣住民。
- 職場等の定義: 自社事務所内に留まらず、業務を遂行するあらゆる場所(取引先の事務所、顧客等の自宅、移動中の空間、オンライン商談の場等)を指します。
3. 対象となる主な言動の類型と具体例
現場の従業員が被害を過不足なく認識し、上司への報告を躊躇させない心理的安全性を醸成するため、以下の通り言動を類型化します。
言動の内容が不当なもの
- 要求に正当な理由がない、あるいは当社の商品・サービスと無関係な要求。
- 契約範囲を著しく逸脱した過度なサービス提供の要求。
- 不当な金品の請求、および社会通念上実現不可能な要求。
- 不当な損害賠償、および責任の転嫁。
手段・態様が不当なもの
- 精神的な攻撃: 脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言。また、従業員の同意を得ない「無断での撮影」については、従業員の人格権・肖像権を著しく侵害する「精神的な攻撃」の一類型として厳格に対処します。
- 身体的な攻撃: 暴行、傷害。
- 威圧的な言動: 土下座の強要、大声での威嚇。
- 拘束的な言動: 長時間の居座り、不退去、監禁、電話の長時間拘束。
- 執拗な連絡: 継続的かつ執拗な電話、メール、およびSNS等での中傷。
これらの言動に直面した際、従業員を孤立させず、組織として守り抜くための対応体制を次章で明示します。
4. 組織的な対応体制と相談窓口
ハラスメント事案における初期対応は、事態の沈静化と従業員のメンタル保護における決定的な分岐点です。被害に遭遇した、あるいはその兆候を察知した従業員は、以下の社内相談ルートを優先順位に従って活用してください。
- 所属部署の上司(管理監督者) 「業務中断」や「担当者交代」を判断する上で最適な立場にある第一ルートです。現場特有の事情を踏まえた、迅速な判断を仰いでください。
- 人事部(社内窓口) 専門的な対応方針の策定、組織間の調整、法的な検討、および専門的なメンタルヘルス支援が必要な際の相談先です。当社は社内体制の強化を徹底し、従業員が外部の窓口に頼らざるを得ない状況を排除し、組織内部で確実に保護される仕組みを完備します。
5. 事実確認のための記録保存と情報の取り扱い
被害を受けた従業員の救済、および行為者への適切な法的措置や是正勧告を行うためには、客観的かつ正確な事実関係の確認が必須条件となります。
客観的記録の保存
事実関係の確認のため、必要に応じてメール、商談メモ、打ち合わせ記録等の客観的な記録を保存します。 これにより、主観的な憶測を排除し、組織として適正な反論や法的措置を講じるための証拠能力を確保します。
情報の取り扱いと透明性の確保
保存された記録は、個人情報保護法および当社の個人情報保護規程に基づき厳格に管理されます。
- 目的外利用の禁止: 取得した個人情報は、カスタマーハラスメントの事実確認および対応の目的に限定して使用します。
- 利用目的の公表: カスタマーハラスメント対策を目的とした録音・録画等の証拠取得、およびその利用目的については、ウェブサイト等を通じて公式に公表し、透明性を確保します。証拠に基づき事実が確認された後、速やかに講じるべき被害者支援と再発防止策を次章に記載します。
6. 被害者保護および再発防止に向けた措置
カスタマーハラスメント対策の最終目的は、被害を受けた従業員の回復と、同様の事案を再発させない安全な労働環境の再構築にあります。
被害者に対する配慮
事実が確認された場合、以下の措置を遅滞なく実施します。
- 管理監督者や産業保健スタッフによるメンタルヘルス支援。
- 当該顧客等に対する対応担当者の交代。
- 必要に応じた被害者の配置転換、または業務環境の物理的改善。
行為者への断固たる対応(事業主の責務)
悪質なカスタマーハラスメントを行った行為者(取引先等)に対しては、組織として以下の法的・実務的な強い態度で臨みます。これは当社が「事業主の責務」を果たすための断固たる決意です。
- 事実に基づいた警告文の発出。
- 不当な干渉や侵害が続く場合、取引停止を含む契約上の権利行使の断行。
- 犯罪性が疑われる事案における警察への通報。最後に、本指針を正しく運用するための倫理的遵守事項を再確認します。
7. プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
従業員が躊躇なく声を上げ、組織が早期にリスクを察知できる制度を実現するためには、機密性と雇用の安定が絶対的に担保されなければなりません。
- プライバシーの徹底保護: 相談者および調査協力者のプライバシー情報は機密事項として扱い、本人の承諾なく第三者に開示することを厳禁します。
- 不利益取扱いの禁止: 相談窓口へ相談したこと、または事実調査に協力したことを理由として、解雇、降格、不当な配置転換、その他の不利益な取り扱いを行うことを一切禁止します。万一、これに違反した者は、社内規程に基づき厳正に処分します。
本指針は、当社に適用される「決定版」です。我々は一致団結し、ハラスメントを一切容認しない健全な企業文化を堅持し続けることをここに改めて誓約します。
以上